橋を架ける −ボストン・チャールズリバー編−

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バイオマーカーと敗血症 (1)

Developing Biomarker Medicine (BM) in Sepsis

バイオマーカー(以下BM)の定義や分類はについてへFDAから出されたBest Resourceがわかりやすく書かれています。

 

FDA-NIH Biomarker Working Group. BEST (Biomarkers, EndpointS, and other Tools) Resource. Disease Markers. 2016;14(4):187-334. doi:10.1155/1998/698239.

 

BMの重要な役割の一つに”診断”があります。バイオマーカーの診断能を評価するときにはROC analysisを用いてAUCで評価することが多いです。例えば単一のBMのカットオフ値を定めて、BM陽性/陰性と疾患有り/無しの 2 by 2 tableを作り、感度・1−特異度を計算します。カットオフ値をいろいろな値にずらしていくことでそれぞれのカットオフ値で、感度・1−特異度を算出することで、ROC曲線(Receiver Operating Characteristic Curve)を書くことができ、Area Under the Receiver Operating Characteristic Curve を算出することができます。

実臨床では単一のBMで診断を下すことはほとんどなく、2つ3つのBMで診断を下すことがおいでしょう。

新しくできたBMの臨床的意義を評価するときも、それ単一で評価することに加えて、既存のBMにその新規BMを加えた時にどれだけ診断性能が上がるを評価をすることも重要です。その評価指標としてIDI(Integrated Discrimination Increment)やNRI(Net Reclassification Improvement)が代表的です。この考え方については下記文献でわかりやすく書かれています。

Holder D, Schipper M. STATISTICAL ISSUES IN BIOMARKER RESEARCH. Biomarkers. 2017;24(3):1-20. doi:10.1002/9780470918562.ch22.

Steyerberg EW, Vedder MM, Leening MJG, et al. Graphical assessment of incremental value of novel markers in prediction models: From statistical to decision analytical perspectives. Biom J. 2014;57(4):556-570. doi:10.1002/bimj.201300260.

 

さらに、例えば、BMを2つ、3つ、4つと増やしていったら

例えば敗血症の診断について、

1.WBC

2.WBC+CRP

3.WBC+CRP+PCT

4.WBC+CRP+PCT+Presepsin

とBMの数を増やしていったときにはそれぞれのモデルも診断性能をどう評価したら良いでしょうか?

いづれはその点について触れたいとも思います。

コンピューターサイエンスが急速に発達しているこの時代に、マシーンラーニングのメソッドも取り入れながら、実臨床で臨床医にとって役に立つBMの使い方を、データサイエンス、生物統計学、疫学、実臨床での有用性にもとづいて、考えていきたいと思います。