橋を架ける −ボストン・チャールズリバー編−

- If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together -

一体誰が上流でこれだけの人を川に突き落としているのか、、、

この夏、ハーバード大学公衆衛生大学院で夏期講習を受けた。
色々な講座で学ぶことができたが、イチロー・カワチ先生の授業は特別だった。

公衆衛生学を学ぶ根本的な意味に触れた気がしたからである。

 

今日はカワチ先生を含め,ハーバード大学公衆衛生大学院で学ぶ日本人学生と飲み会であった。

 

純粋に頑張っているひとから、パワーを貰い、明日への活力とすることができた。

自分もそういう人間になりたい。

 

カワチ教授の授業で紹介された下記の文章は、

日々臨床に携わっていたものとして心に残るものである。

救急医療はまさに、荒れ狂う川に飛び込んで、自分の身を危険に晒しながらも、
溺れている人の命を救う仕事である。

私は川の上流で働くことはないが、
その上流で人が突き落とされるのを防ごうと頑張って働いている人たちの言語や思いをを理解し、彼らに協力できるようになりたいと切に思う。

協力したいと思わせてくれるような、

人徳とヴィジョンと信念に溢れた優秀な方たちがボストンにはたくさんいる。



ー以下引用ー

「岸辺を歩いていると、助けて!という声が聞こえます。誰かが溺れかけているのです。そこで私は飛び込み、その人を岸に引きずりあげます」

「心臓マッサージをして、呼吸を確保して、一命をとりとめてホッとするのもつかの間。また助けを呼ぶ声が聞こえるのです」

「私はその声を聞いてまた川に飛び込み、患者を岸までひっぱり、緊急処置をほどこします。すると、また声が聞こえてきます。次々と声が聞こえてくるのです」

「気がつくと私は常に川に飛び込んで、人の命を救ってばかりいるのですが、一体誰が上流でこれだけの人を川に突き落としているのか、見に行く時間が一切ないのです。

ジョン・マッキンリー

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魚の敗血症と初心 −月曜日朝6時半−

先日、日本人研究者が集まる朝食会に初めて参加してきた。

それは毎週月曜日朝6時半から、LongWood Medical Areaにあるカフェで開かれる。

初めてだったので自分の研究のことなど多く質問されて、その中ででてきたのが

 

「魚の敗血症ってないんですか?」

 

敗血症モデルマウスの話をした後に出た質問。

今まで考えたこともなかった、、、

こういう質問・刺激をいただけるのは面白いなと感じた。

ありがとうございます。

 

会の最後に、近日ボストンを立たれる前途有望な若き研究者の話をきいた。

ヴィジョンと信念が明確で、月曜日の朝から感動した。

自分の初心も再認識させていただいた。

ありがとうございます。

 

製薬企業で働いている方や、他の施設で働いてる方とも知り合いになれた。

 

創薬は誰もが描く夢

血管内皮細胞やGlycocalyxを炎症から守る・もしくは再生する薬を作れたら、、、

それはまだまだ先の話。今は目の前の課題をクリアする。

 

ただ、先の話ではあるけれど、若き研究者のおっしゃったように、

患者さんの役に立つという初心を忘れないようにしたい。

 

参加してよかった。

 

ハーバード大学図書館 - Widener Library -

所属している病院は、ハーバード大学医学部の関連病院なので、Harvard ID Cardというものをもらえます。これがあるとハーバード大学の関連施設(図書館やジムなど)を使用することができます。昨日はHarvard YardにあるWidener Libraryというところで勉強しました。

Widener Library - Harvard College Library

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大きな図書館で勉強スペースも十分にありました。天井は高く、博物館のような雰囲気で、気分がよかったです。ウィークデイは24時間やっている図書館もある(ハーバード大学には約90もの図書館があるとのこと)そうです。

Lamont Library - Harvard College Library

次回はそこで勉強してみたいと思います。

 

水曜日は救急科カンファと研究室ミーティング

毎週水曜日はカンファレンスとミーティングの日。
午前8時から午後0時まで救急科のカンファレンスに出席する。参加しているとは言い難い。
ただいるだけ。
週一回に集中してカンファレンスを行う形式は、前職場と同じスタイル。
シフトで働く救急科レジデントはこういう形でないと集まれない。
まずM&Mから始まり、その後は色々なレクチャーが行われる。
質問がバンバンでるのは国民性。こういうカンファに参加するチャンスをくれたネイトに感謝。
今のところリスニングの練習になっているので、スピーキングを必ず。
 
conference contents 
 
午後2時からはラボのミーティング。
現在は20以上の臨床研究で並行して症例を集めている。
実際に患者に会い同意を取りデータを集めてくるのは,医学部に入る前の学部卒業生やリサーチナース。合わせて計9人ほど。
彼らが現場に出向き、汗をかいてデータを集めてくれるので研究が行える。敬意を表したい。
現場の理解があるとはいえ、やはり苦労は絶えないだろう。
彼らのシャドーイングを近々行う予定。こういう経験が将来PIになったときに役に立つと信じている。 データは自分達でつくるもの。